奈良弁護士会

0742-22-2035
意見書

若草山モノレール建設計画の中止等を求める意見書(要約版)

2014/07/11

奈良弁護士会
会長 中西 達也

 

意見の趣旨

 奈良県に対し、同県が若草山の歴史的・自然的景観や環境の重要性、世界遺産としての顕著で普遍的な価値を再認識し、これらを著しく損なうおそれの高いモノレール建設計画を直ちに中止すること、若草山の活性化のための論議においても若草山の価値を守ることを最優先して検討されることを求める。


【意見の理由】


  1. モノレール建設計画の概要
     県民にとって唐突な計画であり、県が密行的に進めてきたこと。

  2. 手続上の問題点
     県は独自に環境影響調査を行っているが、全く住民参加の機会(説明会、意見の提出など)を保障しようという意識がなく、環境影響評価法、県条例の趣旨に照らして問題がある。

  3. 予定地と周辺地域の地域性
     予定地や周辺地域は、古都保存法、文化財保護法、風致地区条例、世界遺産条約による厳しい現状凍結型の規制がなされた地域。自然環境と一体となったこの地域の歴史的環境や景観はきわめて重要な財産であり、保護されるべきである。

  4. 景観保護の観点からの問題点
     県の環境影響調査では、専ら選定した眺望点から見えるかということばかりを検討しているが、眺望点の選定が限られており、もっと多様なところからの遠望型景観を検討する必要がある。
     また、遠望型景観のみならず、環境型景観の観点からの検討が重要であり、異質なモノレールという存在自体が、景観や歴史的環境を損なうにもかかわらず、この検討がなされていない。
     実質的にみて、モノレール建設は上記規制する法律に適合しない。

  5. 建設の必要性
     バリアフリーや集客・活性化を目的としたものと解されるが、バリアフリーは重要ではあるものの、歴史的環境の保護という他の価値との調和を図る必要がある。そもそもモノレール建設が活性化につながるとは解されず、むしろ奈良の魅力を損なうことになる。

  6. よって、モノレール計画の即時中止、若草山の価値を守ることを最優先した議論を求める。

 

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