奈良弁護士会

「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(いわゆる「カジノ解禁推進法案」)に対し、改めて反対し、廃案を求める会長声明

 奈良弁護士会 
 会長 佐々木 育子

 

 「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(以下、「カジノ解禁推進法案」という)が、本年12月2日に、衆議院の内閣委員会で採決され、同月6日の衆議院本会議で可決された。自民党は、カジノ解禁推進法案を今国会で成立させることを目指しているとのことである。

 カジノ解禁推進法案は、2014年11月の衆議院解散に際し一旦廃案となった後、2015年4月に再提出されたものである。

 当会は、2015年8月13日付け会長声明において、カジノ解禁推進法案に対し、賭博は原則として違法であること、ギャンブル依存症が拡大し多重債務問題が再燃するおそれがあること、青少年の健全な育成への悪影響があること、暴力団対策上の問題点があること、マネーロンダリングに利用されるおそれがあること、経済的合理性への検証が不十分であること、奈良県民にも悪影響が及ぶおそれがあることを指摘し、廃案を求めていたところである。しかし、現時点に至っても、カジノ解禁推進法案は、これらの多くの問題点を何ら解決していない。

 また、これまで犯罪行為とされていた賭博行為を合法化するという重大な法案であるにもかかわらず、衆議院での審議期間はわずか二日であり、国民の多くが反対している中で、衆議院で強行採決されるなど、審議が尽くされたとは言いがたい。

 よって、当会は、カジノ解禁推進法案について、改めて、成立に強く反対し、廃案にすることを求めるものである。

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