奈良弁護士会

0742-22-2035
意見書

速記官の立会を求める申入書

2001/04/27

大阪高等裁判所
 長官 上田 豊三 殿
奈良地方裁判所
 所長 今井 俊介 殿
奈良弁護士会
会長 多田 実

 

第1 申入の趣旨

  1. 奈良地方裁判所においては、刑事事件の重大事件における証人尋問および被告人質問の際は、事前に大阪高等裁判所に対して相当な要請を行い、公判期日には複数の速記官が立会できるよう手配されたい。

  2. 大阪高等裁判所においては、奈良地方裁判所から上記要請が行われた場合、速やかにこれに対応し、公判期日において複数の速記官が立会できるよう手配されたい。

第2 申入の理由

  1. 刑事事件の公判、特に重大事件における公判において、証人尋問および被告人質問の結果が正確に調書上記載され、かつその調書が公判期日後迅速に作成されることは、有効かつ十分な審理のためには必要不可欠である。

  2. この調書の正確かつ迅速な記載のためには、公判廷に現に立会して証人および被告人質問の状況を現認し、かつ逐語的に法廷内の発言を記録し、さらに調書作成技術にも長けている速記官の存在が極めて重要である。

  3. しかるところ、奈良地方裁判所においては、本年4月1日をもって速記官の人数が4人から1人に減員され、事前の相当な手配が行われなければ、当日において複数の速記官が立会できなくなる事態が発生する可能性がある。

  4. 速記官は、法廷内の発言はその内容を問わずすべて記録する任務を背負って立会を行うのであり、その業務における精神的疲労は医者が手術を行う場合のそれにも匹敵すると例えられ、だからこそ、尋問が40分ないし1時間を超えた場合には、通常、速記官の交代が行われているのである。 そして、刑事事件の重大事件においては、証人尋問あるいは被告人質問が数時間に及ぶことも少なくなく、その場合において、速記官の疲労を無視して一人の速記官に尋問全部を対応させることも、あるいは速記官不在を理由に尋問あるいは質問を次回期日に続行することも妥当ではなく、いわんや速記官不在のまま尋問あるいは質問を続行することはさらに妥当ではない。

  5. 当会としては、本来この問題に対しては奈良地方裁判所配置の速記官を増員することこそが根本的な問題の解決になると考えているのであるが、現に配置速記官が減員されている現状においては、まずは個別事件について御庁各庁において相当な手配を行うことが緊急の課題であると考え、本申入を行うものである。
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