奈良弁護士会

0742-22-2035
意見書

奈良弁護士会多重債務者救済宣言

2008/02/02

2008.2.2 奈良弁護士会多重債務者救済宣言
2010年までに全ての多重債務者の救済をめざして

- 奈良弁護士会多重債務者対策本部の設置にあたり -

  1. はじめに
    近年、多重債務者問題が深刻な社会問題となり、多重債務者に対する法的救済が、当会と当会会員の取り組むべき重要な課題の一つとなってきたことは言うまでもない。

    一昨年、多重債務者の救済に関しては、貸金業規制法、出資法等の改正がなされ、貸付利息の低減化や貸金業法違反の罰則強化等が盛り込まれた。この法改正は、今後の多重債務者の発生防止に大きな力となる。
    しかし、法改正だけで多重債務者問題が解決するわけではない。

    当会は、多重債務者問題の抜本的解決のため、総合的な多重債務者対策のための組織を整備し、より多面的な活動を行っていく決意をする。

  2. 総合的多重債務者対策の必要性
    現在、多重債務者は潜在的に全国で約140万人いると言われており、法改正にともなう貸金業者の貸付抑制によって、それら多重債務者の経済的破綻が一挙に顕在化するおそれがある。したがって、多重債務者が、様々な法的救済手段に速やかにアクセスできる環境が十分に整備されなければならない。このことは、喫緊の重要な課題である。

    また、多重債務状態に陥った背景に「貧困」の問題が存することが多く、既存の債務を整理しただけでは抜本的解決にならないケースも存在する。
    現実に、法的な手続を経ただけでは経済的な再生を図ることができず、再び多重債務状態に陥ってしまうケースも見られる。
    そこで、多重債務者問題の抜本的な解決のためには、いわゆる「ワーキング・プア」の問題や生活保護の問題にも目を向ける必要がある。
    さらに、多重債務者問題は、人と社会との繋がりや家族との絆を奪い、その行き着く先において、人の尊い命まで奪うこともある。

    自殺原因の約20%は経済的事情にあるとも言われている。多重債務者問題を考えるにあたっては、自殺防止という観点も無視できない
    一方で、このような悲劇をもたらす多重債務者の発生を予防するためには、利息の発生する仕組みなど基本的な金融知識はもちろん、万が一多重債務状態に陥ってしまった場合の解決方法などを伝える学校教育、消費者教育の充実が不可欠である。

  3. 多重債務者問題改善プログラム
    ところで、内閣府では、2007年(平成19年)4月20日付で、多重債務者問題改善プログラムを策定し、自治体や、弁護士会を含む関係諸機関に対して、多重債務問題解消に向けた協力を呼びかけた。同プログラムの内容は、相談窓口の整備強化、セーフティネット貸付の提供、金融経済教育の強化、ヤミ金の取締りなどを骨子としている
    奈良県においても、これを受け、多重債務者対策協議会を、同年10月26日付で立ち上げ、当会は、奈良県、奈良市等自治体、奈良県警、奈良県司法書士会などとともに、同協議会に参加することとなった。

    いままで、当会と当会会員は、多重債務者の救済に関するノウハウを蓄積してきた。また、多重債務者問題に留まらず、多方面で人権擁護活動を行ってきた実績もある。したがって、同協議会における当会の役割は極めて大きい。

  4. 奈良弁護士会多重債務者対策本部の設置
    そこで、当会は、上記のような責任を自覚するとともに、これを果たしていくため、当会内の組織として、多重債務者対策を総合的に推進する「奈良弁護士会多重債務者対策本部」を設置することとした。そして、同本部においては、

    (1)多重債務者救済のための法律相談及び受任体制の整備・拡充

    (2)いわゆる「ワーキング・プア」問題の解消、あるいは適正な生活保護の受給へ向けた諸活動

    (3)多重債務者が自殺に陥ることを防止する取組み

    (4)子どもや消費者を対象とする金融経済教育の拡充

    等の活動を推進したい。

    また、同本部は、奈良県多重債務者対策協議会に対しても積極的な提言を行い、その取組みを支援し、また、同協議会のその他の参加団体とも連携し、多重債務者問題の解決に向け、同協議会において重要な役割を果たしていきたい。

    そして、私たちは、2010年までに、奈良県下の多重債務者を全て救済することを目標として掲げるものである。

意見書

安保関連法案は憲法違反です!

特定秘密保護法に反対します!

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