奈良弁護士会

0742-22-2035
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全面的国選付添人制度の実現を求める総会決議

2011/02/05

奈良弁護士会
会長 飯田 誠

【決議事項】

当会は、国に対し、速やかに少年法を改正し、現行の国選付添人制度の対象を観護措置決定により身体を拘束された全ての少年にまで拡大することを求める。

【決議の理由】

  1. 弁護士付添人は、少年審判手続において、少年法の「少年の健全な育成を期」するという理念の下、えん罪の防止、非行事実の適正な認定、保護処分の適正な判断のための活動のみならず、家庭や学校・職場等の少年を取り巻く環境の整備を行うなど、立ち直りを支援する活動も行っている。このような弁護士付添人の存在は、少年に対し適正な手続きを保障し、少年審判を適正なものとするだけでなく、少年が更生をするうえでも極めて重要である。

    しかしながら、現状の弁護士付添人の選任率は低く、身体を拘束された事件の約40%のみであり、そのうち国選付添人は約3.7%に過ぎない(2008年統計)。成人の刑事事件における弁護人選任率が98%以上であることと比較すれば、少年に対する法的援助は著しく不十分な状況である。

    このように弁護士付添人選任率が低い原因として、2007(平成19)年11月に導入された国選付添人制度が、対象事件を重大事件に限定し、かつ、付添人選任の要否は家庭裁判所の完全な裁量によるという、極めて限定された制度となっていることが挙げられる。

    しかも、2009(平成21)年5月21日以降、被疑者国選弁護制度の対象事件がいわゆる必要的弁護事件にまで拡大されたものの、多くの少年事件で、被疑者段階で選任された国選弁護人が、家裁送致後には国選付添人となることができないという看過し難い制度上の矛盾も生じている。

  2. 日本弁護士連合会は、全ての弁護士会員が特別会費を拠出することにより、弁護士費用を支払えない少年に私選付添人の費用を援助する少年保護事件付添援助制度を実施してきた。

    また、当会では、観護措置決定を受けた少年が希望すれば、無料で弁護士が面会し、少年が拒否する場合を除き上記援助制度を利用するなどして受任し付添人活動を行う「少年付添人制度」を実施するなど、身体を拘束された全ての少年に付添人が就ける体制を整えている。

  3. しかしながら、心身ともに未成熟である少年に対し、捜査から審判に至る一連の手続において、適正な手続きを保障し、更生の支援をするという法的援助を与えることは本来国の責務である。

    とりわけ、少年鑑別所に収容され身体を拘束された少年については、事件の軽重を問わず、その生育歴・家庭環境にも大きな問題を抱えたケースが多いこと、少年院送致などの重大な処分を受ける可能性が高いことから、国選付添人による法的援助を受けられるよう早急に制度を整えなくてはならない。

    よって、当会は、国に対し、速やかに少年法を改正し、現行の国選付添人制度の対象を観護措置決定により身体を拘束された全ての少年にまで拡大することを求めるものである。

総会決議
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