奈良弁護士会

秋田弁護士会所属会員の殺害事件に関する会長声明

奈良弁護士会
会長  朝守 令彦

本年11月4日の早朝,秋田弁護士会に所属の津谷裕貴弁護士が,ガラス戸を割って自宅に侵入した男に刺されて死亡するという事件が発生した。津谷弁護士は,市民の立場に立ち,消費者問題に長年取り組み,日本弁護士連合会消費者問題対策委員会の委員長に就任するなど,会活動において,中心的役割を担われていた。本年7月に奈良市で開催された日本弁護士連合会消費者問題対策委員会の第21回夏期消費者セミナーにも津谷弁護士は委員長として出席され,開催の挨拶をいただいた。当会は,津谷弁護士のご冥福を祈り,ご遺族に対して心から哀悼の意を表する。

報道によると,男は津谷弁護士が受任していた離婚調停事件の相手方だったとのことであり,刺殺事件は,同弁護士の弁護士業務に関連して発生したものと思われる。本年6月2日にも横浜弁護士会に所属する弁護士が,事件の相手方に法律事務所内で刺されて死亡するという事件が発生している。

弁護士は,基本的人権を擁護し,社会正義を実現することを使命としているが,この使命は,弁護士の生命身体の安全が確保され,自由な弁護士活動を行うことができる環境があって初めて実現できるものである。

当会は,弁護士業務に対する暴力行為の排除及び予防に一層取り組み,今後も,これに毅然と対応し,弁護士としての使命をまっとうしていくことを,ここに表明する。

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