奈良弁護士会

0742-22-2035
会長声明

司法改革に向けて奈良弁護士会は約束します

2000/05/20

  1. 昨年内閣に設置された司法制度改革審議会は、「21世紀の我が国社会において司法が果たすべき役割を明らかにし、国民がより利用しやすい司法制度の実現」のため、今日まで十数回に及ぶ審議を行うとともに、今後重要なテーマについて個別の審議を予定しています。

  2. 他方、日本弁護士連合会は、1990年以来三度にわたり司法改革宣言を発表するとともに、1998年には「司法改革ビジョン」を、昨年11月には「司法改革実現に向けての基本的提言」を発表しました。その基調は法曹一元制度の導入を基本にして、「市民による司法」「市民のための司法」を我が国の隅々にまで浸透させるという国民主権の理念で貫かれています。それは、とりもなおさず「いつでも」「どこでも」「だれでも」必要なときには司法サービスを受けられる権利を保障できるようにしようというものです。

  3. こうした司法改革の大きな流れの中で、奈良弁護士会は牽引車の役割を果たすべく県民のニーズに応えたさまざまな活動を行ってきました。

    自治体等と提携した無料法律相談は今では県下27市町村に及び、人口比では実に84パーセントの県民が利用できるようになりました。そのほかにも、公的団体が設置した無料法律相談や臨時相談、さらには時宜に応じて女性の権利確保、商工ローン問題、欠陥住宅問題などの相談にも取り組んできました。
    裁判ではどうしても時間や費用がかかるため、交通事故の紛争については会内に示談あっせんセンターを開設し、弁護士が解決に当たる活動も積極的に行ってきました。その結果過去5年間に151件の申込があり、100件の紛争を解決してきました。

    犯罪を犯したとして逮捕され、あるいは裁判を受ける人々の権利を確保することは、憲法が保障する重要な基本的人権の一つです。その権利を守るため、奈良弁護士会では会員の殆どが国選弁護人として刑事弁護に携わっています。さらに被疑者段階や犯罪を犯した少年の権利を守るべく1990年には当番弁護士制度を発足させ、要請があれば直ちに面会に赴き、被疑者らの相談にのる体制も完備しました。こうして昨年は405回も出動し、弁護人や付添人になるなどして被疑者らの権利の擁護と更生を援助してきました。

    現在の裁判制度が非常に分かりにくいものであることを直接体験していただき、市民が参加する裁判制度に変革していくために裁判を傍聴する活動も年々広がっています。
    さらに本年4月には高齢者・障害者支援センターを発足させるなど、新たな活動も開始しました。

    こうした活動を継続、拡充するには多額の費用がかかりますが、その殆どは弁護士の自己負担でまかなわれています。

    そのほかにも自治体等公的団体の審査委員、協議会委員、懇話会委員などを多くの弁護士が担当し、公的、公益活動にも広く関与しています。

    このように県民のさまざまな要請に応えられるよう、そして裁判をはじめとする司法が真に住民の財産となるよう、奈良弁護士会は全国各地で実施される以前から会の総力を挙げて取り組んできました。

  4. こうした実績を踏まえ、さらに県民のみなさんに利用しやすい司法サービスを提供できるよう、奈良弁護士会は次の運動に取り組みます。

    第1に、自治体等の法律相談を、さらに回数も地域も増やして文字どおり県下くまなく実施し、過疎地においても公設事務所構想を始め電話や巡回による相談など、より身近に利用できるように取り組んでいきます。

    第2に、今年10月から新たに施行される民事法律扶助制度に伴い、多くの県民が日常生活に大きな負担をかけず弁護士を依頼し、裁判を受けられるよう取り組んでいきます。

    第3に、迅速且つ適切な司法サービスを提供できるよう、弁護士の人員増と能力、質の向上に励んでいきます。また、より正確で実効的な情報を県民のみなさまに提供できるよう弁護士情報の広報に努めます。

    第4に、被疑者弁護制度のさらなる拡充とともに、刑を受け終わった人々らへの援助、そして犯罪被害者の法的救済に取り組みます。

    第5に、「市民による司法」「市民のための司法」を実現し、司法が真に社会における公正と公平を実現する役割を担えるよう、法曹一元制度の導入をはじめとする司法改革に取り組んでいきます。>
会長声明
TOP