奈良弁護士会

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会長声明

全面的国選付添人制度の実現を求める集会決議

2013/02/23

奈良弁護士会主催シンポジウム
「全面的国選付添人制度実現にむけて~全ての少年に付添人を~」 参加者一同

家庭裁判所で審判が行われる少年事件では、少年達のために、様々な観点からの支援が必要です。

弁護士が行う支援は、付添人活動です。付添人活動とは、少年をえん罪から守ることや少年の意見を調査官や裁判官に伝える手助けをすること、少年が立ち直り、健やかに成長して欲しいと願って、家庭や学校・職場などに働きかけて少年を取り巻く環境の調整をすることなど、さまざまな活動を含むものです。これらのうちとりわけ少年の立ち直りのためには、弁護士自身が付添人としての質を向上させることだけでなく、弁護士以外の大人たちが様々な立場から少年の立ち直りのために支援することが必要です。現在も、弁護士以外の大人たちが、親や教師など、様々な立場から少年の立ち直りのための活動をしています。弁護士は、これらの大人たちの助力を得つつ相互に協力して付添人としての活動をしています。

このように、付添人が少年事件において果たす役割は極めて重要ですが、少年自身やその保護者には付添人の費用を支払えるお金がなく、あるいはそもそも保護者が少年のために費用を支出する気持ちがないという場合も少なくなく、国費によって付添人を選任できる制度でなければ、現実的には全ての少年が付添人の助力を得られることにはなりません。

しかしながら現在、国の費用で弁護士を付添人とすることができる国選付添人の対象となる事件が、殺人や強盗などの重大事件で、かつ、家庭裁判所が必要と判断する事件に限定され、少年鑑別所に収容されている少年のうちの4%未満にとどまっています。

このような状況のもとで、弁護士費用が支払えない少年に私選付添人をつけるために、日本弁護士連合会では全ての弁護士会員が特別会費を出して費用をまかない、少年に費用の負担をさせないようにしてきました。また、奈良弁護士会では、少年鑑別所に収容された少年が希望すれば、無料で弁護士が面会をして少年が拒否する場合を除いて上記制度を利用して弁護士付添人をつけるようにしてきました。弁護士会のこれらの活動によって、弁護士付添人が約8割の少年につくようになりました。しかし、これは本来国が負担すべき費用を支出しないため、やむなく弁護士会員がいわば自腹を切って支えている臨時的な制度であり、永久的に続けていけるものではありません。

観護措置決定を受けて少年鑑別所に収容された少年は、特にその成育歴や家庭環境に大きな問題を抱えたケースが多く、少年院送致という処分を受ける可能性も高く、支援が不可欠です。したがって、事件の軽重を問うことなく、少年鑑別所に収容された全ての少年が、あまねく国選付添人による援助を受けられるようにすべきです。

よって、私たちは、国に対して、速やかに少年法を改正し、国選付添人制度の対象を観護措置決定によって少年鑑別所に収容された全ての少年の事件にまで拡大することを求め、ここに決議します。

以上
会長声明
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